大事なのは防寒対策じゃない!秋冬キャンプ初心者に捧ぐ【保温の基礎知識】テントも服装も

ファミリーキャンプノウハウ赤ちゃんキャンプ

秋冬になると、どんな防寒対策をすれば快適にキャンプできるのか、たくさんの情報が出回ります。

しかし、どれもこれも、どのアイテムが良いとか、暖房はこれを買ったほうがいいとか…みんなしてお金を使わせようと、買わせようとしてくるぜ!くぅぅ…o(≧~≦)o

赤ちゃん(*1)と通算22回の冬キャンプで何度もピンチを乗り越えた私が伝えたいのは、大事なのは、そこじゃね~!!

(*1:3歳未満児)

きちんと防寒の基礎を抑えて、費用も抑えて、でも安心できるノウハウをご紹介します。

非常事態で自分を救うのは、道具ではありません!知識と知恵です!!ストーブは、+α、その後で!

ちなみに、私の経験したピンチと教訓(心の叫び)はこちら▼

私もかつて、アホだった・・・そして、死にかけた

まず、この写真を御覧いただきたい。

キャンパーなら一瞬でわかるはずの、間違い探し。大きな矛盾点があることに一瞬で気付けないアナタは、穴が開くまでこの記事を読み返して、頭に叩き込んでほしい。

雪が降っている。
薪ストーブを使っている。
・・・そう!スカート幕がない!!

テントと地面の間に大きな隙間がある、これでは何の!意味も!!ない!!!!

薪ストーブの暖かさを過信して、雪の日に、3シーズンテント(ポリエステルでスカート幕のない春夏秋用テント)で行ったのです!

今思えば、なんて馬鹿!!

ただ、このときは、今まで使ってきたドーム型テントに薪ストーブを入れるスタイルが不安になって、古いテントに自分で煙突用の穴を開けて最初のキャンプ。
上手くいくと信じていたんです…

結果はご存知、死にかけましたw

せっかく薪ストーブで温めた空気が、テントの下の隙間から出ていく!出ていく!!

暖かい空気は上に行くって言ったの誰だよ!って言いたくなるくらい、一瞬でテント内の空気が外気と入れ替わります。

わざわざお金かけて薪買って、ストーブ炊いて空気を温めて、外へ逃がす…狂気の沙汰ですよwww

もちろんこんなんで、眠れるわけがないので、急遽ホームセンターで段ボールを購入し、風防代わりにテント内に張り巡らせて、どうにか事なきを得ました。

▲当時生後5ヶ月の息子と、一晩中薪をくべつづけて睡眠不足のパパの肩・背中

そう、ここから学んだのは・・・段ボールってあったかいんだぁ~

ではなく、保温って大事!

ただ、温めればいいのではなく、いかにそれをキープするか、が重要だったんです。

防寒・保温の基礎

この3つ、テストに出ます!必ず覚えるように!!w

「①冷気を遮断する」
「②空気の層を作る」
「③狭い空間を暖める」

実は最近暖かいと話題の2重窓など、高気密住宅もこの法則に当てはまるのですが、これをキャンプの場面で考えていきます。

まず、テントの構造を家に当てはめて考えると、屋根・壁・床の3つに分解できます。

屋根は、太陽光や雨から我々を守るためのものなので、保温よりも夏の遮熱で重要です。

は、風や外気温から我々を守るためのもので、テントの大部分を占めます。(先程の悲劇は、この壁に致命的な欠陥があった例でした😅)

は、地面の冷気から我々を守るためのもので、夜・明け方に冷え込むので、睡眠にも関わります。

普段当たり前のように暮らしている家も、実は、とても我々を守ってくれているということに気がつきますね🥰

では、キャンプにおける壁の保温対策とは?

①冷気を遮断する

まずは、冷気を遮断するための、スカート幕。

4シーズンテント(冬も使えるテント)には基本的についている、いつも地面について汚れるピラピラ。

あるのとないのでは、大違い!

これが、実は良い仕事をしてくれていたんですね。

②空気の層を作る

そして、一般的にテントは、インナーテントとフライシートからなっています。

このシートとテントの間に空気があることで、冷気がインナーテント内部に伝わりにくくなっています。

③狭い空間を暖める

最後に、暖める空間は狭ければ狭いほど、早く簡単により高い気温になります。

最近大型のツールームテントが人気ですが、テント全体のタープ部分まで暖めるよりも、寝室となるインナーテント内部だけを暖めるほうが効率的!

おこもりキャンプで快適にしたいからと言って、大きすぎるテントを買ってしまうと、空間全体が温まらなかったり、高スペックの暖房器具が必要になってしまうので、注意が必要です⚠

さらに、我が家では、布団をはがしがちな赤ちゃんは、インナーテントの中のポップアップテントで寝ます。

空気の層が増え、空間も狭くなるので、人間の呼気だけで、信じられないくらい暖かくなります!

もとは、夏の太陽の眩しさによる朝の早起きを防止するために買った遮光性のあるポップアップテントが、実は冬の防寒にも大活躍( ´∀`)bグッ!

幅は1mなので、シングルベット1枚分。マットはどうにか2枚入り、ママと赤ちゃんがギリ寝られるサイズです。

その後、スカート幕をミシンで縫い付け、その上に石を乗せるお手伝いをする息子2歳

次は、寝心地・安眠を左右する、床の保温対策。

①冷気を遮断する

まず、一番下は、ウェザーシートで地面からの冷えが伝わらないように。

②空気の層を作る

次に、マットで空気の層を作ります。

③狭い空間を暖める

最後にホットカーペットで温めれば完璧なのですが…

ホットカーペットの上に直接寝ると、低温火傷や脱水・熱中症の可能性もあるので、おすすめできません。

我が家では、マットの下に敷いています。そして、薄着になって、布団をかけて、汗をかかない程度の温度になるように調整します。

厚着のまま寝ると、汗をかきすぎて脱水や熱中症、寝冷えの可能性もありますし、朝布団から出たときに寒いのに着れるものがない状態になってしまうからです。

⚠1歳未満のこどものホットカーペット使用は危険です。衣類内熱中症や突然死の可能性があるので、絶対に使用しないでください!!

(1歳未満の防寒対策はこちら▶https://risukko-family.camp/archives/677

(1歳未満でどうしてもホットカーペットを使用しなければならない場合の注意点▶https://risukko-family.camp/archives/616

また、最近は積載も踏まえて、電気毛布を敷いて、その上に寝る人も増えているようです。

1歳未満の娘を冬キャンプに連れて行ったとき。ホットカーペットが使えないので、服が家よりも1段階暖かいですが、ウェザーシート・マットと、基本に忠実に。

まとめると、以下の3点に気をつければ、テント内では快適に過ごせるはずです。

4シーズンテントを使う(当たり前w)
ポップアップテントが使える!(意外)
ウェザーシート▶ホットカーペット▶マットの順で安心安全

ポップアップテントは1万円もせずに、年中使えますし、ホットカーペットは3畳用で7,000円しません。

最近はレンタルできるところも増え、電源サイトも1泊1,000円~2,000円です。

この時期、寒さが少し心配だな~という初心者さんにはもちろん、ベテランでも手軽に万全に対策できる、神の一手ではないでしょうか!!( ・´ー・`)どやw

まるで終わりそうな雰囲気ですが、これで対策できたのは、インナーテント(寝室)内だけ。

さて、屋外ではどうしましょう?

屋外では、基本的に焚き火で暖をとることになると思います。

ツールームテントなどの室内にリビングを作り閉め切る「おこもりキャンプ」もありますが、ベテラン向きです。

保温の基礎の「冷気を遮断する」ができても「空気の層を作る」「狭い空間を暖める」には反するからです。

空気の層を作らず、大きな空間を暖めなければならないので、外気温の変化に左右されやすく、テントの出入りの度に室温が下がります。

空間を暖めるためには、石油ストーブや薪ストーブが必要になりますが、高額で、一酸化炭素中毒の危険があり、火傷の心配や引火性のある燃料の携帯、積載を圧迫など大変な点が多くあるため、手軽には始められないと思います。

2ルームテントに薪ストーブをインストールして、おこもりキャンプ。中は暖かいので、ほとんど外に出ません😅

一方で、焚き火には保温性が皆無ですw

それなのに、なぜ焚き火をやるのか。

…なんて無粋なキャンパーはいないかと思いますが^^;

暖めた空気はすぐどこかに行ってしまうし、何の区切りもない広大な空間を暖めているので、効率の悪いこと極まりなしですね。冷静に考えてみるとwww

そこで、焚き火で温まれるのは、かざした手くらいだと割り切って、外でいかに暖かくいるか、つまり暖かい装い・防寒着で対策しましょう!

【追記】
焚き火とあわせて、ウィンドスクリーンを使うと、格段に暖かさが上がります!詳細はこちら▼

重ね着の意味わかってる?防寒着の考え方


防寒着の基本は「重ね着」で、外に風を通さないウィンドブレーカー、中に暖かいフリースや中綿の入ったものを着るというのは、少しアウトドアをかじったことがある人なら知っているかもしれません。

これは、まさしく、「①冷気を遮断する」「②空気の層を作る」「③狭い空間を暖める」と同じ考え方です。

ウィンドブレーカーだけでは体は温まりませんし、フリースだけだと風を通すのでスースーして体温がどんどん逃げて行ってしまします。

ただ、少し違うのが「③狭い空間を暖める」

定石では、暖かい下着を身につけるとなりそうなのですが、吸湿発熱インナーはおすすめできません😨

重ね着のもう1つの大事な理由「こまめに脱ぎ着して体温調節をする」というのがとてもやりにくくなるからです。

吸湿発熱インナーの特徴は、その名の通り、湿度を吸って熱を発する。湿度とは汗のことです。

一度汗をかいてしまうと、負のループ。

暑いから熱を放出しようと汗をかいているのに、その汗で余計に発熱し…気づけばビショビショ。そして、その汗が一気に冷えると、内臓が冷え、お腹を下す…というのが、私がキャンプで何度も陥った地獄の罠です。

キャンプは、設営・撤収や、こどもを追いかけて走るなど、常に軽い運動と隣り合わせ。また、必死になると自分の体温調節は後回しになりがちなので、汗をかきそうだからと吸湿発熱インナーを脱いでいる時間はありません。

特に冬場は「寒い!死ぬ!!急げ!!!!」という切実なシーンが増えるので、インナーを脱いで、一度脱いだ他のアウターをまた着て、なんてやっていたら夫婦喧嘩必須w

むしろ、インナーは汗を吸いすぐ乾くタイプのものにして、アウターを防寒仕様にすれば、インナーのせいで寒いという事態には陥らないので安心です。

そして、動くときと動かないときのアウターを変えるというのをおすすめしたい!脱ぎ着ではなく、変えるんです!!

動いているときに、ウィンドブレーカーなどの冷気を遮断するものを脱いだところで、そんなに涼しくならないんですよね😅

逆に、風が強かったり、めちゃくちゃ寒い中だと、フリース1枚だと寒いけど、コートを着ると背中が汗ばむということも。

そして、1枚の脱ぎ着くらいのちょっとした変化だと、体が気づくまでに時間がかかることがあるので、1回違うアウターにリセットして、この気温・動きの中でベストかを判断しなおすという工程を必ずはさむようにしています。

かさばる服が増えるので、積載には影響してしまいますが、車内でひざ掛け代わりに使用しているからギリセーフ!必要!!とみんなを?自分を?夫を?😂納得させています。

そんな私が、動かないとき用のめちゃくちゃ温かいアウターとしてたどり着いた究極の1枚は、コレ。

ワークマン「エアロストレッチアルティメットフーデッドパーカー」
https://workman.jp/shop/g/g2300036228026/

エアロストレッチアルティメットフーデッドパーカー – ワークマン


名前の「アルティメット」の通り、究極の神アイテム😍
「着る寝袋」と言われていた通り、とにかく暖かい!コスパ最強です!!

収納力抜群で、調子に乗って内ポケットに物を入れまくっていると、ファスナーを閉めたときに雪だるまみたいにパンパンになります😂

基本的に着ぶくれはしますが、本当に寒いときはそんなん気にしてられませんから!生きるか死ぬかですから!!←経験が壮絶すぎるw

私は「エアロストレッチアルティメットパンツ」も履いて、ミシュランマンと言われていますが😅、この上下セットのおかげで「どんな寒さも、どんと来い!」的な気持ちで、どこに行くのも怖くなくなりました(๑•̀ㅂ•́)و✧

ミシュランマン【公式】 – LINE スタンプ | LINE STORE


ちなみに、こどもたちのアウターも必ず2枚。だって、絶対濡らすじゃん!w

手洗いで袖~腕が濡れたり、洗い物のお手伝いでお腹に水がかかったり。

濡れているものが肌についていること以上に体を冷やすことってないし、冬にアウターがないと本当に詰みます。

代用品がないので、選択肢は「買いに行く」の1択。

軽井沢でしまむら探したな~というのも良い思い出ですが😅、謎の出費もレジャー以外の時間も、少ないにこしたことはないですよね。

実際に冬にどんな対策をしているか、脂肪多めでキンキンに冷えがちな私がたどり着いた究極のアイテムはこの記事に詰め込みました▼

まとめ

何回も繰り返した防寒・保温の基礎、もう覚えましたか?

「①冷気を遮断する」「②空気の層を作る」「③狭い空間を暖める」

テントに関しては、この3つ

4シーズンテントを使う(当たり前w)
ポップアップテントが使える!(意外)
ウェザーシート▶ホットカーペット▶マットの順で安心安全

防寒着に関しては、この3つ

吸湿発熱インナーは危険(悪循環を防ぐ)
こまめな体温調節(気づいたときにはもう遅い!)
アウター2枚持ち(エアロストレッチアルティメット上下しか勝たん)

今回、はからずも「衣食住」の「衣」(防寒着)と「住」(テント・家)の防寒対策を説明したので、せっかくなら「食」も。

温かい料理を食べましょう…以上!😋

ついでに、体を動かしたら、温かくなってきます💪

寒いと体が縮こまって動けなくなりますが、余計に良くないんですよね💦

薪割りや設営・撤収を張り切ってw、温かいものを飲んで・食べて、暖かくして寝る…最高やないかーい❣

くれぐれも、やりすぎて汗をかいて冷やさないようにね😅