キャンプの夜と言えば、ゆっくりくつろぎながら、ぼわ~っと広がるランタンの明かりを眺めたり、揺らめく焚き火の炎を見ながら家族で語らったり。
明るい昼間とは違うキャンプ場の風景は、照明で一気に雰囲気が変わります。
最近は、電源サイトを借りて、自宅のおしゃれなライトを持参したり、クリスマスのイルミネーションライトをテントに付けて、SNS映えする写真を撮る人も。
中には、ライトの数や明るさ、点滅で隣のキャンパーとトラブルになることもあるので、周囲への配慮も忘れてはいけません。
初めてのファースト・ランタンにおすすめなのは、この1択
キャンプ場で素敵な夜を過ごすために、おしゃれなランタンを買いたい気持ちもわかりますが、ファミリーキャンプデビューでは、まずは利便性と安全性を重視しましょう。
ランタンをつける夕方の時間帯は、夕食の準備や子どもぐずり、焚き火を起こしたり、早めのお風呂に入ったり、何かとバタバタするので、まずは簡単・確実に明かりが点くように、LEDランタンが必要です。
ズバリ、ファースト・ランタンにおすすめなのは、キャリー・ザ・サン。1~2つは持っていて後悔しません。
安くて、軽くて、コンパクト。ボタン一つで一瞬で明るくなるのに、おしゃれ。
LEDっぽい白色ライト(クールライト)だけでなく、暖色のウォームライトを選べるのも魅力的。
明るさの指標となるルーメンは、90程度なので、そこまで明るくないはずですが、光に拡散性があるので、とても明るく感じます。明るさは3段階に調整できます。
ソーラー式なので、事前に光にあてて充電しておく必要はありますが、電池切れの心配もなく、防災グッズとしても使えます。
熱くならず、落としても壊れないので、1歳の子どもでも持ち歩けます。
子どもには大人気で、自分が持ちたい!と兄弟で取り合ったり、アコーディオンのように折り畳んだり組み立てたり。気に入りすぎて、返してくれない場合もあるので、予備も含めて2つあってもいいかもしれません。
また、ランタンは、全部で3つ必要です。
リビング全体を照らすもの(後述メインランタン)、手元を照らすもの(後述サブランタン)、持ち運んだりテント内に吊り下げるもの(後述ポータブルランタン)。
キャリー・ザ・サンは、手元を照らしたり、持ち運び・テント内用にぴったりです。
LEDランタンは他の種類のランタンに比べて明るくないですが、その利便性・安全性に勝るものはありません。低価格の商品がAmazonなどに氾濫しているので、まずは適当なものを選び、実際にキャンプ場で使ってみて、どのくらいの明るさが欲しいか検討するのが良いでしょう。
ランタンの3つの役割
実際にキャンプ場で夜を過ごすと、その暗さに驚き、ランタンの重要性を実感することになります。
ファミリーキャンプでは、夕方のバタバタで夕食の準備が遅れがちになることがありますが、そんなときに手元が暗いと、イライラします。
逆に、手元だけ明るくても、キッチン台からコンロへ移動したら、あれ、暗い。ランタンも動かさなきゃ。ただでさえ慌ただしい調理中にタスクが増えるのは大変です。
そうなる前に知っておきたい、ランタンの3つの役割・ランタンが3つ必要な理由を解説します。
メインランタン:リビング全体を照らす
リビング近くに立てるランタンポールに吊り下げて、周囲を明るく照らします。
3つのランタンの中で最も光量が必要なので、ガソリンランタンがおすすめです。
周囲を明るく照らすために、白色よりも暖色がおすすめです。
目安としては、1,000ルーメン以上の明るさが必要と言われています。
サブランタン:手元を照らす
基本的に、テーブルの上に置き、手元を照らします。
目につく場所にあるので、おしゃれで雰囲気のあるものが人気で、そこまで明るさは必要とされません。
ポータブルランタン:持ち運んだりテント内に吊り下げる
トイレに行く際に子どもが持ち運んだり、テントに備え付けのフックに吊り下げます。
子どもの手やテントの天井と近い位置になるので、発熱せず、燃料が危険でないLEDランタンがおすすめです。
明るさはそこまで必要なく、100ルーメンあれば十分と言われています。
両手があくヘッドライトが便利だと言う人がいますが、人通りが多い場所を通る際は注意が必要です。車のハイビームのように、すれ違う人は眩しくて何も見えなくなってしまうので、人を見ない・地面だけを見るようにするなど、配慮しなければいけません。
セカンド・ランタンの選び方 ランタンの4つの種類
結論、おすすめの3つのランタンの種類は以下です。
メインランタン:ガソリンランタン
サブランタン:LEDランタン
ポータブルランタン:キャリー・ザ・サン(LEDランタン)
サブランタンをおしゃれにしたい場合、オイルランタンやガスランタン卓上タイプ、ガソリンランタンが候補に上がるかと思います。
燃料の種類が増えると積載も増えるので、他のキャンプギアで燃料缶を使う場合は、共通で使えるものに揃えると良いでしょう。
それぞれのランタンの種類ごとの、特徴やメリット・デメリット、注意点をご紹介します。
LEDランタン
FUEL 電池/ソーラー充電/USB充電
GOOD 点灯が簡単。発熱せず子どもも安全に使える。燃料が安く入手しやすい。防災グッズになる。
BAD 白色が多く、雰囲気が出ない。
RECOMMEND サブランタン、ポータブルランタン
メインランタンになるのは1,000ルーメン以上と言われていますが、LEDの1,000ルーメンは光が直線的で拡散性がなく、周囲が全く明るくならないという特徴があります。
LEDランタンをメインランタンにしたい場合は、2つ揃えれば(サブランタンと合わせて3つあれば)十分な光量が得られるでしょう。
オイルランタン
FUEL パラフィンオイル
GOOD 点火が比較的簡単。雰囲気が出る。メンテナンスが楽。
BAD オイルが入手しにくく、特別に持っていく必要がある。
RECOMMEND サブランタン
ガスランタン
FUEL CB缶/OD缶
GOOD 点火が比較的簡単。雰囲気が出る。メンテナンスが楽。
BAD 光量が不安定。コスパが悪い。
RECOMMEND サブランタン(キャンドルタイプ)
マントルタイプとキャンドルタイプがあります。
マントルタイプは、物によりますが、メインランタンで使えるほど、とても明るくなるものもあります。ただ、燃焼効率が悪く、燃料代が馬鹿にならないので、おすすめできません。
キャンドルタイプは、そこまで明るくありませんが、雰囲気が出ると人気です。
また、燃料には、CB缶とOD缶があります。CB缶の方が安く入手しやすいですが、光量が不足したり、外気温の影響を受けて安定しないので、OD缶のほうが良いでしょう。
ガソリンランタン
FUEL ホワイトガソリン
GOOD 明るい。雰囲気が出る。孫の代まで長く使える。
BAD 点火に慣れが必要。ガソリンの入れ替えをキャンプ場でやる。メンテナンスが必要。
RECOMMEND メインランタン/サブランタン
マントルという光源体が1つのものをワンマントル、2つのものをツーマントルと呼び、2つだと2倍とまではいきませんが、明るくなります。
また、他に、ガソリンよりもガスよりも明るい、ケシロンランタン(灯油)がありますが、壊れやすくメンテナンスも大変なので、もっとキャンプに慣れてからにしましょう。
初めてのファースト・ランタンポールにおすすめなのは、この1択
ランタンだけ買って、満足してはいけません。必ず、メインランタンを吊るすためのポールも持って行きましょう。
どんなに明るいランタンを買っても、高い場所に光源がないと、光が周囲に広がらず、明るく感じません。
初めてのランタンポールにおすすめなのは、移動式です。
移動式
はじめのうちは、サイト内のレイアウトに失敗して、ランタンの場所を少し動かしたいという場合が多くなるはずなので、そんなときに簡単に移動できると便利です。
また、ランタンのみならず、洗った食器を干したり、衣類などを干すのにも使えるので、買って無駄になることはありません。
固定式
地面に深く打ち付けて、固定してしまうパイルドライバーもあります。
移動式のように3本脚でないので、足をひっかけてしまうリスクは減りますが、移動するには打ち直さなければならず、その音がかなり大きいので、夜移動させることができません。
はじめのうちは、打つ場所に失敗しがちなので、慣れてきて、メインランタンを増やした際などに、買い足しを検討することをおすすめします。
なお、チンアナゴペグという、コンパクトなタイプもありますが、別売りのポールを買う必要があったり、なかなか上手に垂直に打ち付けられないので、どうしても積載に困った場合にのみ検討すると良いでしょう。
代用:ポールハンガー
すでに立てているタープのポールがあれば、そこにポールハンガーを取り付けて、ランタンを吊るすこともできます。
安価ですが、タープポールがないと使えず、燃料が漏れると危険なので、LEDランタンしか吊り下げられません。
ランタンの虫対策
明るいランタンで快適な環境を手に入れたと思うのは、束の間。必ず虫が寄って来ます。
光量が大きければ大きいほど、寄って来る、たくさんの虫。
それを防ぐ最も有効だと言われている方法は、ランタンの配置の仕方です。
光量の大きなメインランタンを、テントから少し離れた場所に設置し、そこに虫を集め、人がいる場所は、光量の小さなサブランタンで手元を照らすというもの。
原始的な方法で、頼りなく感じるかもしれませんが、特別な物を用意する必要なく、ちょっとした工夫で虫が減るなら、試してみて損はないですよね?
それでも、虫が気になる場合は、以下の方法が知られていますが、効果の感じ方は人それぞれのようです。
- LEDランタンは、紫外線を出さないため、虫の目には見えなく、寄って来ない。
- オイルランタンで、防虫成分の入ったパラフィンオイルを使う。
- グローブと呼ばれるランタンのホヤを買い替え、黄色やオレンジ色の光にすると、虫が寄ってこない。
キャンプは、そもそも自然の中という虫の生息地に、我々人間がお邪魔している状態なので、そこで100%虫を寄せ付けないというのは無理難題です。
まずは、ランタンの設置場所を定石通りにしてみて、それでどうにもならない場合に、検討してみてはいかがでしょうか。